扶養家族について
健康保険では、被保険者だけでなく、被保険者に扶養されている家族にも保険給付を行います。この家族のことを「被扶養者」といいますが、被扶養者の範囲は法律で決められています。
被扶養者となるためには、健康保険組合から認定を受ける必要があります。
家族を扶養に入れたいとき
被保険者によって生計を維持されている「家族」は健康保険の被扶養者になることができます。健康保険では被扶養者に対し、保険料を負担させることなく保険給付を行います。このため、被扶養者になるためには「国内居住」のほか「家族の範囲」「収入」について法律などで決まっている一定の条件を満たしていることが必要です。
また、健康保険の被扶養者は会社や税法上の「扶養」とは基準が異なりますので、扶養手当や年末調整等とは別の手続きが必要です。
健康保険では、被扶養者となれる家族の範囲も決まっています。
被保険者と同居していても 別居していてもよい人 |
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被保険者と同居していることが 条件になる人 |
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被扶養者の認定基準
被扶養者となるには、家族関係だけではなく下記の条件を満たし「対象者が被保険者によって扶養されていること」を健保組合が確認する必要があります。健保組合は、対象者が被扶養者に該当するかどうか申請書類等から総合的かつ厳正に審査します。
国内居住要件
健康保険法等の一部が改正され、2020年4月1日より被扶養者の認定要件に「日本国内に住所を有すること」が追加されました。
ただし例外として、留学生や海外赴任に同行する家族などこれまで日本で生活しており渡航目的より今後も再び日本で生活する可能性が高いと認められる場合は、日本に住所(住民票)がなくても国内居住要件を満たしていると判断されます。
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日本国内に住所(住民票)があること
※ただし「医療滞在ビザ」「観光・保養を目的とするロングステイビザ(最長1年)」で日本に滞在する外国籍の方は、健康保険法の適用除外のため日本国内に住所(住民票)があっても被扶養者に認定できません。
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日本国内に住所(住民票)はないが、日本国内に生活の基盤があると認められること
※ビザなどで状況確認のうえ、国内居住要件の例外として認められます。
理 由 | 確認書類 |
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外国において留学をする学生 | ビザ・学生証・在学証明書・入学証明書の写し |
外国に赴任する被保険者に同行する者 | ビザ・海外赴任辞令・海外の公的機関が発行する居住証明書の写し |
就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者 (観光、保養又はボランティア活動など) |
ビザ・ボランティア派遣機関の証明・ボランティアの参加同意書の写し |
被保険者の海外赴任中に出産・婚姻などで身分関係が生じた者 | 出生や婚姻などを証明する書類などの写し |
渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者 (留学等の理由で渡航する被扶養者の海外在住中に生まれた子供など) |
出生や婚姻などを証明する書類の写しなど |
※確認書類が外国語で作成されている場合は、その書類に加え、翻訳者の署名がされた日本語の翻訳文を添付してください。
収入の条件
- 年間収入が130万円未満(60歳以上の方または障害者は年収180万円未満)であること
- 被保険者の収入の2分の1未満であること
- 被保険者からの援助額(仕送り額)より収入が少ないこと
- 被扶養者の収入と援助額の合計が一般的な生活を維持できる額以上であること
扶養申請等の際には、金融機関の振込依頼書など送金を証明できる書類(送金元と送金先がわかるもの)を提出いただきます。
その他
- 扶養している事実があること
被保険者は対象者の生活費のほとんどを主として負担していることが必要です。収入の基準を満たしていても、対象者が経済的に自立している場合は扶養に入れません。 - 被保険者に扶養能力があること
被保険者には継続的にその家族を養う経済的扶養能力があることが必要です。ほかの条件を満たしていても、扶養能力がないと判断される場合には扶養に入れられません。
- 優先される扶養義務者(兄弟姉妹・祖父母の場合は「両親」など)に扶養能力がないこと
- 被保険者がその家族を扶養せざるを得ない理由があること
- 夫婦の収入を比較して、今後1年間の収入を見込んだ額が多い方の被扶養者とする
- 夫婦の年間収入の差額が多い方の1割以内である場合は、届出により主として生計を維持する者の扶養とする
16歳以上60歳未満の方は就労可能な年齢にあり、被保険者の経済的支援がなくても自立して生活できる場合が多くあります。このため、被扶養者になるためには書類の提出により就労できない状態にあることを証明し、被保険者が生活費のほとんどを援助しなくてはならない状態にあることを申告することが必要です。
失業給付を受けている間は、原則として「主として被保険者の収入によって生活している」とは考えられませんので、一般的には被扶養者として認められません。ただし、失業給付が少額※であれば認められます。なお、待期・給付制限期間中は収入がないため被扶養者となることができます。
家族を被扶養者としたいときは、下記の書類に必要事項を記入し、必要書類を添えて、5日以内に申請してください。(提出先は「各種申請書」のページを参照)
- 被扶養者(異動)届
PDF 記入例 - 「被扶養者認定提出書類一覧表」に記載されている必要書類
- 被扶養者認定調書
PDF
被扶養者資格確認調査(検認)
健保組合は一定の期日を決めて被扶養者資格確認調査を実施し、被扶養者の資格を継続できるかを調査することになっています。調査時に必要書類の提出ができないときは資格を取り消される場合もあるため、仕送り証明などの書類はいつでも提出できるように準備していただくことが必要です。
虚偽の申請による罰則
被保険者が扶養の実態がない家族を虚偽の申請により認定を受けたことが判明した場合は、被扶養者の資格は遡って取り消され、当該期間中に発生した医療費の全額およびその他給付金を過去に遡及し返還していただきます。
家族が扶養からはずれるとき
就職や別居、死亡などで、それまで被扶養者として認定されていた家族が、被扶養者の認定基準を満たさなくなった場合は、被扶養者からはずす手続きが必要です。
継続的な収入が 年間130万円 (60歳以上は180万円) 以上得られるように なったとき |
※年間収入の限度額を超えてからでなく、働きだした(収入をもらいだした)時点より被扶養者からはずれますので注意してください。就職しているが就職先で健康保険に加入できない場合も同様ですので、扶養をはずす手続きをしてください。
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雇用保険(失業など給付) を受給するように なったとき |
(受給期間を延長されている方などで) 後日受給をされるようになった場合は扶養をはずす手続をしてください。 |
扶養の関係が なくなったとき |
※扶養からはずれた後は、被保険者本人として国民健康保険や他健保に加入するか、新しく扶養される方の扶養家族となる手続きが必要となります。
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年収の壁・支援強化パッケージ「130万円の壁」への対応
国の施策である「年収の壁・支援強化パッケージ」により、「人手不足による労働時間延長にかかる一時的な収入の増加」のため、限定的に130万円(60歳以上又は障がい年金受給者は180万円)を超過した場合については、その被扶養者を雇用する事業主の証明書提出によって被扶養者資格を継続することとしました。
- 他の従業員が退職(または休職)したことによる業務量の増加
- 業務の受注が増えたことによる業務量の増加
- 突発的な業務量の増加
- 既に当組合の被扶養者の方
定期的に実施している「被扶養者資格確認調査」において、削除対象の方には通知書、被扶養者異動届と併せて「被扶養者の収入確認に当たっての一時的な収入変動に係る事業主の証明書」を同封します。上記のケースに当てはまる一時的な収入増で超過している場合は、雇用契約書とともに同事業主証明をご提出ください。
- 新たに当組合の被扶養者となる方
新たに被扶養者認定を申請する際に、被扶養者の収入基準を上記のケースに当てはまる一時的な収入増で超過している場合は、雇用契約書とともに同事業主証明をご提出ください。
扶養削除日
削除日は被扶養者異動届の事由発生日となります。
ただし、死亡においては発生日の翌日を削除日とし、就職して保険証が発行されている場合はその資格取得日を削除日とします。就職して扶養を削除する場合は、被扶養者異動届に就職先の保険証の写しを添付して提出してください。
手続きを忘れた場合の注意
※扶養をはずす手続きをして新たに別の健康保険などに加入された場合はその旨を医療機関の窓口でお伝えください。